超絶企画  "SYSTEM 7 を再現してみる"
( PUPPY-X 偏 )

WATT-X の完成からなんと5ヶ月。
ようやく PUPPY-X の製作に取り掛かることになりました。
これが結構な曲者でして . . .



デザインを考える

まずは PUPPY-X のデザインを考えます。
本家システム7を参考に、WATT-X のデザインと合うように何度も変更を重ね、
ようやくイメージどおりのものが出来ました。
この時点で既に WATT-X 完成から5ヶ月。
最初の案から言えばもう8ヶ月もかかっていますね(笑)

( 2006/5/9 )


バスレフダクト完成

PUPPY-X のダクトの出口が完成しました。
某オーディオマニアの方に作っていただいたのですが、
デザインどおり、予想以上の仕上がりのものが出来上がって感無量です(TT)

( 2006/5/22 )


デザイン決定

    


いよいよデザインが決定しました。
が . . . 実はこの時点で上の設計から4ヶ月も経っています。
その間何度もメールをやりとりさせていただき、細部の変更を何度もさせていただきました。
山越さんには本当に感謝いたします。

( 2006/9/22 )


キャビネットほぼ完成


キャビネットがほぼ出来上がったというメールを頂きました。
現時点での製作状況という事で画像を頂きましたが、
もうほとんど完成と言ってもいいぐらいのものですね。
この後各所に面取りを行い、ピンスパイク用の鬼目ナットを打ち込めば完成です。


キャビネット内部

キャビネットの内部には補強桟が入れてあります。
ご覧のように田の字になっていますが、ここも綺麗に面取りがしてあります。
ただ製作するだけではなく、使い手の立場に立った仕上がりですね。
ただの職人だと こうは行きませんね。まさにプロ中のプロといった感じです。

( 2006/12/12 )


問題と解決

画像はバスレフダクト出口に取り付けるアルミ製のリングです。
M6のネジを使う予定で製作していただいたのですが
M6用の鬼目ナットを使うとキャビネットに遊びがなくなってしまう事や
リングの下側に鬼目ナットが見えてしまうという問題が出てくるという事で、
M4のナット用の鬼目ナットを入れてもらうことにしました。
結果的にはこれが大正解。
下側に鬼目ナットも見えず、リングも固定できるようになりました。

( 2006/12/14 )


キャビネット完成!

2006年12月21日。
完成したキャビネットが送られてきました。
早速開梱してみると、僕がデザインした通りのものが出来上がりましたね。
さすがは山越さんです(^^)


キャビネットの上部

キャビネットの上部の様子です。
側板は前から後ろに向かって上がっていくように角度がつけてあります。
これが後から素晴らしいバランスになる . . . かどうかは分かりません(--;)


キャビネット裏側

キャビネットの裏側の様子です。
かなり多くのネジで留めるようになっていますが、
これぐらいやらないとシッカリと密閉は出来ません。
ちなみに横に走っているネジは補強材にネジ留めするためです。


ダクト

ダクトの出口です。
このままだとのっぺりした感じですが、ここには前出の角型リングがつきます。
良い仕上げですね。

( 2006/12/21 )


コイル

PUPPY-X のネットワークに使うコイルが届きました。
jantzen の3.3mHのものですね。
これで250Hz辺りでのクロスを目指したいと思うのですが、
さてさて、どういう結果になるんでしょうか(--;)

( 2006/12/28 )


キャビネットの加工忘れ

 

キャビネットが到着したときには気が付かなかったのですが、
先日サンドペーパーをかけていたら、
バッフルの上部の面取りがされていない事に気が付きました。

自分で何とかしてみようかと思ったのですが
さすがに出来そうにないので山越さんに相談したところ、
早速木箱を送っていただき、返送することになりました。


梱包

梱包はこういう感じ。
ここまで入れるのに30分以上かかりました。
ムズカシー(TT) (笑)


ターミナル

そうこうしている間にターミナルが届きました。
もちろんウーファーもコイズミオリジナルのCP-236K。
良いターミナルですね。

( 2006/12/30 )


加工完了のお知らせ

山越さんから「キャビネットの加工が終わりました」とメールを頂きました。
バッフル上部がカットされていて角は綺麗なラインに収まっていますね。
これでデザイン通りに仕上がりました(^^)

( 2007/1/18 )


キャビネット到着と組み合わせ

キャビネットが揃ったのでとりあえず組み合わせてみました。
まだスパイクを履かせていないのに結構大きくなりますね(^^;)


横からみたところ

デザインに一番こだわった部分だったので合わせるまでは不安だったのですが、
合わせてみるとデザイン通りの仕上がりで一安心しました。


前は数ミリ

後ろ端を合わせるために若干下げてありますが、
完成時にはギリギリまで前に寄せます。
左右はほとんど隙間がない、素晴らしい仕上がりになっています。


後ろはもっとギリギリ

後ろはエンブレムがあるのでそのままでは入りませんが、
後ろ側を持ち上げたピンスパイクの3点支持なので
ギリギリ当たらないようになっています。
このバランスは完璧です(笑)

( 2007年1月21日 )


ピンスパイクは本物

PUPPY-X のキャビネットを支えるピンスパイクは
本家システム8に純正付属している PUPPY PAWS を使います。
入れ物からしていかにも高級品!という感じです(^^)

( 2007年2月16日 ))

内部補強用鉄板

鉄工所の友人にカットしてもらったキャビネット内部の補強用の鉄板です。
先に貼ってもらってから塗装に出そうと思っていたのですが、
「貼ったら動かせんかと思って」と、友人の計らいでそのまま受け取ってきました。
そんなに大した重さにはならないだろうと思ったのですが、
キャビネット2個分を5回に分けて運ばないといけないほどの重さになりました。
単純計算で片チャンネルあたり 52.9kg の増量になります。

( 2007年2月20日 )


塗装完了

友人にお願いしていた塗装が終わりました。
WATT-X のときよりも更にパテを重ねたそうで、
木目がなくなっているのはもちろん、平滑度も数段上がっています。
画像で見るよりもっと真っ赤です。


軽トラに積み込んで搬送前に撮影してみました。
かなり赤いのが分かると思います。
この後そろそろと車を走らせ、何とかオーディオルームまで搬送しました。
過去最高の緊張感でした(笑)


塗装の補足

スピーカーを床に直置きにするのかと思った友人が底を塗っていなかったので
オーディオルームに持ってかえって早速塗装しました。
( 背板を留めるビス穴の回りもマスキングしてあったのでそこも塗りました )
水性の木工用塗料を少しだけ水で薄めて塗りやすくし、
既に塗装してある部分につかないようにマスキングをしてから
ゆっくりゆっくり、細心の注意を払いながら塗ったので
その甲斐あって何とか無事に塗装することができました。
多少のムラは愛嬌ですね。

( 2007年3月14日 )


補強作業開始

底の塗装から1日開けて補強作業に入りました。

まずは一番簡単な背板で練習を兼ねて作業してみることにしました。
背板に鉄板を置いて位置決めをしたら下穴を開け、
一度鉄板を外してゴミを掃除機で全部吸い取ってから
鉄板の周り5ミリぐらいになる位置にマスキングテープを貼り、
たっぷりの木工ボンドを塗ってからネジ留めします。
ネジ留めにはインパクトドリルを使いましたが、
ドリルであと1oぐらいのところまで締め、その後は手締めとしました。
板をねじ切ってしまったら最悪ですからね。

画像では穴の部分がいびつな形に見えますが、
ネジ穴を開けた後にグラインダーで面取りをしてあるのでそう見えるだけです。


天板裏

  

背板が上手くいったので昼からの仕事が終わってから天板の裏にも貼ることにしました。
キャビネットを慎重にひっくり返し、鉄板を借り置きして下穴を開けます。
下穴を開けた後は一旦鉄板を取り出して掃除機でゴミを全て取り、
木工ボンドをたっぷりと塗ってから再び鉄板を戻し、ネジ留めします。
鉄板は隙間無く収まるサイズなので一旦置くと手では取り出せないので
借り置きの時には予め糸を輪にして鉄板の端に引っ掛けておき、
取り出すときにはその糸を引っ張るようにすると良いですね。

( 2007年3月15日 )


側板

天板を貼った翌日(3月16日)に底板にも鉄板を貼ったのですが、
作業的には3月15日のものと同じなので割除。

更に翌日の3月17日には片側の側板に鉄板を貼りました。
画像のようにかなり狭い場所での作業でしたが、(左側が天板側)
寝そべって這いずって、何とか綺麗に貼ることが出来ました。

画像では鉄板同士くっついているように見えますが、
実際には1〜2oの隙間があるので、そこに厚さ1oのゴムシートを挟み、
シートごとコーキングをして仕上げました。
制震効果というよりは、鉄同士がぶつかって金属音がでるのを防ぐためですね。
いくらきちんと留めたとは言え、
音圧でどうなるかはやってみるまで分かりません。
念には念を入れて作業を進めていきましょう。

( 2007年3月17日 )


補強作業終了

部屋中散らかしての作業が何とか終了しました。
床に寝そべっての作業だったので疲れました(TT)


設置

とりあえずスピーカーを設置してみました。
スピーカーが重いので定位置付近に設置してからネットワークを組まないと
後々作業ができなくなってしまうからです。
何とか形にはなっていますかね。

( 2007年3月18日 )


ネットワーク案

ネットワークは潔く3.3mHのコイル一個です。
と言っても実際にはこの画像が大問題だったようですね。

空芯コイルの中心をユニクロネジで留めているのですが、
これでは空芯コイルの意味が全く無くなってしまうそうです。
「何のための空芯やねん!」と、思わずツッコミ入ります。
もちろん無知なのでこの時点では全く何も思わず作業を続行してしまいましたが、
ホームページをご覧の方にご指摘いただき、後々ネジ留めは辞めました。
アドバイスありがとうございました m(_ _)m


ネットワーク設置

ネットワークをキャビネットに入れたところです。
予想以上に板が大きく、何とかギリギリ入ったという感じです。

ただ、ここでもまた無知の追い討ちをかけています。
鉄で覆われたキャビネット内にコイルを置くなんて全く以ってナンセンスですね。
しかしもちろんこの時点では何も分かっていませんので
平気で作業を進めて行ってしまいました。
少しは勉強しないと後々大変な事になると、後になって思いました(TT)

( 2007年3月19日 )


背板

背板にダクト出口を取り付け、20箇所ものビスで留めれば作業は全て終了となります。
ただ、この時点でWATT-X と繋ぐ配線はまだ出来ていませんでしたので、
完成を目前にしてまた糸巻きの開始です。
延々4時間の作業のあとのこの1時間が一番辛かったです . . . (--;)


完成!

トランス状態でスピーカー2本分の配線、合計4本を巻き終わり、
ようやく SYSTEM-X の完成となりました。

実に最初の計画から2年。
WATT-X の完成から PUPPY-X の着手までは
何度も何度もデザインの手直しがあり、非常に時間がかかってしまいましたが、
PUPPY-X の塗装終了後の勢いは自分でも驚くほどのものがありましたね。

ホームページをご覧の皆様には大変お世話になりました。
デザイン時に大変お世話になったkimuraさん始め、
ネットワーク関連でお世話になったyagさん、Tardさん、どら。さん、umemeさん、
WATT-X 、 PUPPY-X の塗装をしてくれた友人の平井君、
PUPPY-X の鉄板を見事に裁断してくれた友人の平井君(塗装屋さんとは別人)、
それから何より、このスピーカーを作るきっかけにもなったグランドベルで
見事にノックアウトしてくれたばあなさんには本当に感謝しています。

どうもありがとうございました。

自分ひとりでは何も形にはならなかったであろう、
みなさんの協力あっての SYSTEM-X ですね。
今後はこのスピーカーでオーディオライフを楽しんで行きたいと思います。

長い間お待たせいたしました。
そしてご愛読?ありがとうございました。
SYSTEM-X は 2007年3月22に完成いたしました(^^)


そして . . . お疲れ様でした、僕。


< 追記 >


WATT-X (ミッド、ツイーターともに正相接続)のスペアナ。

ローカット用のネットワークが入って無いのでかなり下まで出ています。
中域を基準にすると、80〜125Hzで-5db、50Hzで-10dbという感じ。
25kHzにディップ(-2.5dbほど)がありますが、聴感上は全く問題ありません。
クロスの設定が3kHzなのでまぁこんなものでしょう。


PUPPY-X(逆相接続)のスペアナ。
250Hzで少し大きく下がっている感じですが、ダラ下がりと言えばダラ下がりですかね。


WATT-X と PUPPY-X を合わせてSYSTEM-X としたときのスペアナです。
WATT-X は正相、 PUPPY-X は逆相での接続です。
25kHzの小さな凹み(-2.5db)はクロス付近ですが、聴感上は問題ありません。
低域は32Hzのピークを除けば25Hzまで中域と同レベルで出ていますので
全域でフラットと言える . . . かどうかはちょっと微妙ですが、
自作でこれだけの特性だとかなり健闘している方ではないかと思います。

32Hzのピークは部屋の定在波だと思いますが、
ダクトのチューニングが(計算上では)31Hzなので、(しかも実際に32Hzが出ていたので)
どちらが原因かは分かりません。
高域は16kHzから下がっていますが、聴感上は問題無いので気にしません。
50〜125Hzの山が若干気になりますが、
低域がモリモリ入ったソフトじゃない限り特に気になるというほどではありません。


上の画像と接続を反対にした時の SYSTEM-X のスペアナです。
つまり、WATT-X が逆相、 PUPPY-X が正相となっています。

特性的にはこちらの方がフラットに近いようですが、
ボーカルの実体感が薄れるような感じがするので残念ながら却下、
現在は WATT-X が正相、 PUPPY-X が逆相という接続にしてあります。

スペアナだけでは音は分かりませんね。


PUPPY-X のダクトにマイクが入るか入らないかというところでのスペアナ。
ダクトのチューニング(31Hz)はかなり正確に再現できていますね。
ちなみにスペアナは一番左が25Hz、左から2番目が32Hzです。


 

ダクトから10cm離したときのスペアナ(左)と20cm離したときのスペアナ。


 

WATT-X のバスレフダクトを閉じた状態でのスペアナ。
左が「 WATT-X が正相で PUPPY-X が逆相」、右が「 WATT-X が逆相で PUPPY-X が正相」。

音はスペアナがどうこう言う以前の問題。
中域がこもってしまって聴けたものではありませんでした。


という事で、 現在SYSTEM-X は
「 WATT-Xのダクトを開け、 WATT-Xが正相、 PUPPY-Xが逆相 」で聴いています。
まだまだ低音のトランジェントは甘いですが、日々よく動くようになってきているようです。
これからが楽しみです(^^)


< 追記 >

ウーファー2発でなかなかバランスが取れないと困っていたところ、
OZさんからオーディオベーシック誌の記事を送ってくださいました。
そこにあったのは SYSTEM-X と同じ構成のスピーカーで、
そこで提案してあったダクトのチューニング周波数は40Hz。
SYSTEM-X のダクトのチューニングは30Hzなので、
ここは1つ思い切ってチューニングを変更することにしました。

まずは背板を外し、ダクトにカットするラインを引きます。
カット後にサンドペーパーで面を出す事を考えて1oほど余裕を見ておき、
ラインの位置は背板から37oとしておきます。
ダクトを1周するように、きちんと線を引いておくのは言うまでもありません。



後はなるべく目の細かいノコギリで切っていくだけなのですが、
切るときには隣り合う2面を同時に見ながら
各面に垂直となるように切っていくのがコツです。
素人にはなかなか難しいと思いますが、慣れれば垂直にカットできるようになります。

カット後はサンドペーパーを使って面出しをするのですが、
木切れなどを使ってシッカリと平面を出すようにしないと綺麗に仕上がりません。
段差などが出来てしまった場合はカンナやノミで段差を修正してから作業しましょう。
もちろん外周や内周にもきちんとサンドペーパーをかけて
触っても痛くないようにしておくのは言うまでもありません。
物作りの良し悪しは見えない部分の仕上げにこそ現れるものです。


全長90oのダクトが36oになったのでかなり短くなったという気がします。
あとはネットワークの変更ですね。


コイルを特注

OZさんに送っていただいた記事では
9mH相当のコイルを使ってフラットな特性となっていましたが、
何となく10mHの方が合いそうな気がしたので(根拠はありませんが)
Tritecの10.0mHのコイルを注文しました。
受注生産なので注文後2週間ほどかかるという事でしたが、
注文後10日ほどで届きました。
再び背板を外し、ウーファー2発を直列にしてネットワークを組んだところ、
非常にバランスの良い音になりました。
f特はまだ録っていませんが、これだけの音が出ていれば
SYSTEM-X は完成としても良いと思います。

お疲れ様でした(^^)


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